会期:2024.10.10 – 2024.11.10 会場:Grand Kemang Hotel
クマンエリアを散策していたら偶然見かけた展示。少し調べてみると、どうやら10年以上に渡って恐らく毎年開催されている様子。インドネシアのコンテンポラリーアートと謳う展覧会は珍しい。アート&デザインということだが、どうやらPIKの方でデザインメインの展示がされている様子。

料金無料。レジストレーションだけ済ませる。


会場はグランドクマンホテルのロビー、1階部分ほぼ全域と、2階の一部エリア。
しかし展覧会に来ていると思しき人はほとんど見当たらず、普通にホテル利用の人がほとんど。ホテルの人たちは作品には目もくれていないし、監視の人もいないし、作品が心配。ホテルは展示と全く関係なく通常営業しているため、作品があると思って進んだら朝食バイキング会場に出たり、備品売り場に出たりと、まさしく現代アートと日常が文字通り地続きになっている。

こちらの作品、ボタンを押すことで流れている音が変化する作品だが、この作品の音がミスマッチにホテルロビーにずっと鳴り響いている。



作品数はかなり多い。例のごとく順路案内やチラシなし、キュレーターなどの背景がわからない展示だが見応えがかなりある。ボルネオ島にフューチャーした展示や、インドネシア各地の伝統文化や昔話、呪いや祭り、風習などをリサーチして作品化したものが多いく非常に興味深い。週末にはパフォーマンスや公開制作も頻繁に行っているみたいで、作品数や規模からいったらJakarta Biennnaleと変わらないくらいのボリュームがあるし、インドネシアコンテンポラリーアートと謳っているだけあって、インドネシアの現代作家が一同に見られるのもいい機会だ。そして相変わらず同じ時期に開催しているのに、Jakarta Biennnaleとの関係は全く無いみたい。


2階では、客室に作品展示がしてありいくつかの客室に入ることができたが、やはり監視の人など全くおらず無人状態で不安になる。昔、神楽坂のアグネスホテルで開催されていた、ART@AGNES アグネスホテルアートフェアを思い出す。普段見慣れたホテルの一室がアート作品でガラリと変貌を遂げ、一室一室見て歩くという経験は他には無く、とても楽しい時間を過ごしたことを覚えている。
今回アート作品が展示されていた部屋は3部屋ほどだったと思うが、度肝を抜かれるのがその部屋以外の客室は普通に客室として稼働しているということだ。だから、普通にドアの外にルームサービスで取ったお皿が置いてあったり、お掃除の人が出たり入ったりしている。あくまでもアート展示は、日常のホテル業務の中に特別に存在しているのではなく、ただそこに「ある」それだけという、私にとってはかなり異様な展示だ。作品は特別に守られたり、結界が張られたりというのもなく、そこに存在している。
どこまでが展示でどこまでがホテルの備品なのかわからない、どこからが会場でどこからがホテルなのかもわからなない。でも、ホテルにいる人々はその風景をごく自然に捉え、各自の仕事や滞在を、日常を淡々とこなす。でも鳴り響く不思議な音と、目に入るアート。かなり興味深く見て気付いたら2時間ほど滞在していた。毎年行われているようなので、来年もぜひ訪れたい。


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